株式会社 国土調査技研 代表取締役
北海道江別市緑ヶ丘3番地の1
TEL 011-384-5666
今 誠一 (Kon Seiichi)
第4回「ボーリングの匠」は北海道にあります、株式会社 国土調査技研の今さんをご紹介します!
23歳よりボーリングをはじめて、29歳で独立。会社は地質調査を専門としており、
最近は井戸や先進ボーリングなどの仕事も多いそうです。
この仕事はいかに仕事に対する熱意や適性があるかが大事。
そして、状況に応じてその都度、理詰めで考えていくことで成長するのです。
ボーリングに「絶対」はなく、常に想像力を豊かにしておくことが必要。
様々な地質条件の対処能力はすべてこのような作業の積み重ねによるもの。
例えば、トラブルに遭遇した時、その対処方法が20通りあったとします。
でも、重要なのはその数じゃなくて内容と使う順番なんですよ。
選択する順番によっては、キッチリ20通り使える場合もあるし、わずか3通りくらいしか使えなくなる場合だってあるのです。
なので、普段から「勉強」する姿勢がとても大事なのです。
また、こういった作業のひとつひとつが仕事の「面白み」となっていて、
さらにそれが安全やトラブル対策にもつながっているのです。
そして、何より大切なのは社内でこれらの経験を分かち合える雰囲気をつくってやることです。
社員を信頼し、育てていくことが、会社全体のレベルを上げていき、
結果として、この業界で末長く仕事を続けていくことにもつながると考えています。
と、今さん。
頂いたお話からも、社長をはじめとして社員が深い信頼関係で結ばれていることを感じとれました。
これからもお体に気をつけて頑張ってください!
記 者:お仕事のなかでいつも心掛けている部分は?
今さん:安全、そして社員の健康です。大事なことですよね。
記 者:これまでで特に苦労されたお仕事はございますか?
今さん:独立して間もない頃の仕事で北海道新幹線の地質調査をした時に、当時周りではほとんどやったことがないワイヤーライン(※1)でのボーリング作業中、安山岩の地層でジャーミング(※2)をしまして、コアチューブ(※3)がヘッドから切れるということがありました。
また、230m近い調査ボーリングをしていた時に、ボーリング孔の水位が何十メートルも上下することがあってね。調べてみると、離れたところに既設の井戸があって、そのポンプが自動的に水を吸い上げたり止めたりしていたのです。この影響で山全体の水位が上下していたのですね。結局、100m近くまでケーシングを挿入して対応しました。
記 者:本日は取材のご協力ありがとうございました!
(※1)ワイヤーライン
ロータリーボーリングの一種で、専用ロッドの先端に取り付けたビットを回転させることにより掘進し、コアを収めたインナーチューブをワイヤーラインにより昇降させるため、手間と時間がかかるロッドの昇降を必要とせず、深い箇所のコア採取に向いている。
(※2)ジャーミング
ボーリング孔内において、マシン削孔部が拘束されて回転不能になった状態のことをいう。孔壁の崩壊や押し出し、孔曲り、給水不良、スライムの残留などがその原因と考えられる。
(※3)コアチューブ
コアを採取するとき、ボーリングロッドと先端のビットとの中間に取り付ける鋼管。