ボーリングの匠 - 第15回 「手作りの道具」 東邦地下工機株式会社|工事機械(ボーリングマシン等)の製造販売

ボーリングの匠ARTISAN

第15回 「手作りの道具」

株式会社 瀬戸試錐 代表取締役
山口県熊毛郡平生町大字平生726-2
TEL 0820-56-5602

橋本 博至 (Hashimoto Hiroshi)

匠の紹介

「ボーリングの匠」第15回は、山口県にあります、瀬戸試錐の橋本さんをご紹介します!

瀬戸試錐さんは、地質調査を専門とし、山口県を中心にお仕事をされています。

昭和48年に創業したその年は、ちょうどオイルショックと重なり、仕事がほとんどない状態でスタート。
その後、ダムなどの現場をするようになってからは、次第に仕事も本格化し、
1台からスタートしたボーリングマシンも、中国自動車道の調査をする頃には
多い時では10~11セット近く稼働していた時もあったそうです。
なお、山口県東部のダムについてはほとんど関わりをもって仕事をしてきたとのこと。

ボーリングの技術は微妙な感覚が要求されます。 と橋本さん。

コアの取り方は多様な地層に合わせて、肌で感じて覚えないとダメ。
また、人の道具でなくて「自分の道具」を持って(試料の)採り方をキチンと覚えること。

手作りの道具が必要と思います。

我々はそのように調査1本でここまでやってきました。
ボーリングで生きてきた身ですから、これからもずっとボーリング屋ですね。

と橋本さん。

これからもお体に気をつけて頑張ってください!

インタビュー

記  者:これまでに苦労されたお仕事はございますか?

橋本さん:苦労したといえば、中国縦貫道の地質調査ですかね。

たしか、昭和50年代の前半だったと思います。
とにかく雪がすごくて、現場に入るのに毎日毎日除雪車を頼まなければなりません。
腰くらいまで埋もれるほどの雪なので、機械を搬入するにも一苦労です。

寒さのためロッドはそのまま素手で触ることができません。
くっついてはがれなくなってしまうのです。
また、給水ポンプも夜中は掛けっ放しです。止めたら凍ってしまうからです。

それと思いだすのは、島根原発の調査です。

1日5mと決まっていて、毎日コアの検査を受けました。
コアとの整合性をとるため、ボアホールカメラ(※1)を入れての精度チェックです。

そして、NGだとまた掘りなおしを要求されるため、高い精度が要求される仕事でした。

記  者:また、仕事のなかでいつも心掛けていることはございますか?

橋本さん:最終的にきちんと顧客に納得してもらえる仕事をするということです。

地質調査は全ての基となる仕事です。
間違った調査をすると後々大変なことになってくるのです。

ただ、地下のことですから、いろいろと問題が出てくるのは当然で、
常に発注者と話し合いながら仕事を進めることがとても大切ですね。

記  者:。本日は取材のご協力ありがとうございました!

(※1)ボアホールカメラ

ボアホールカメラは主として、ボーリング孔内の状況を観察するためのカメラ。

CCDカメラの下に円錐型のミラーがあり、
ここに映された孔壁全周をカメラで撮影・記録し、その内容を確認できる仕組みになっている。

地質調査においては、

 ①岩盤の割れ目や破砕部の直接的な観察。
 ②地質構造(走向・傾斜・開口等)の計測。

に基づいて様々な判断をすることができる。

雪中での現場雪中での現場
地質調査地質調査
地質調査(海上設営準備)地質調査(海上設営準備)

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