有限会社 トーデン興業 代表取締役
愛媛県松山市久米窪田町478-1
TEL 089-976-3636
藤田 尚徳 (Fujita Hisanori)
「ボーリングの匠」第18回は、愛媛県にあります、有限会社 トーデン興業の藤田さんをご紹介します!
トーデン興業さんは、アンカーやライナー工事や井戸掘削を専門とし、愛媛・高知などを中心にお仕事をされています。
高校2年の時、温泉掘削のアルバイトとしてボーリング業をはじめ、
昔から、どんな難しい仕事でも誰かがしなければならないのだと自分に言い聞かせ、
これまで多種多様なボーリング・工事を経験されてきています。
そして今、その意思は、レスリングの元全日本代表選手でもある息子さんへしっかりと引き継がれ、
取材当日は、ちょうど井戸掘削の工事をされていました。
地元大手お菓子メーカーの工場移転に伴う水井戸を掘削とのことでした。
ボーリングは段取りが全てです。
ボーリング計画に対して、自分でちゃんと計算をして、
どれくらいの深さでどんな道具が必要か、きっちり合ったものを準備できること。
この能力がいかに早く仕事を仕上げられるかにつながります。
と藤田さん。
ボーリングにとって、いかに段取りが大切であるかが分かります。
これからもお体に気をつけて頑張ってください!
記 者:これまでに苦労されたお仕事はございますか?
藤田さん:先日施工した集水井工(※1)は少々苦労しました。
愛媛県で最初の事例となるRCセグメントライナーという工事でして、
立坑60m、5インチ径で140m以上を掘削するのですが、とにかく掘った孔が自立せず、
掘ったらそのままでは崩れてしまうため、修復などの対応が日々続きました。
記 者:また、仕事のなかでいつも心掛けていることはございますか?
藤田さん:先ほども述べましたが、事前準備はとても大事です。
作業に必要なものは必ず前もって段取りしておくこと。これがすべてです。
朝はきちんとミーティングしてから出発しますし、帰る時には翌日の用意をしておきます。
細かいことを言えば、給油なども前日にやってしまいます。
また、作業現場は常にキレイにしておくことです。
整理整頓はそのまま安全にもつながりますからね。
記 者:。本日は取材のご協力ありがとうございました!
(※1)集水井工
地すべり防止工法のひとつ。
地すべり地の内外で最も地下水の集中している場所に井戸を掘り、
そこから集水ボーリングを行い、地すべり地内の地下水を井戸に集めて、地すべり地外に排除する。
集水井自体は集水機能がないため、集水ボーリング工と併せて地下水を効率的に集水・排除するのが一般的。
井戸の設計径は3.5m~4.0mが一般的で掘削終了まではほぼ深礎工と同様。
土留材を用いながら地下水を効率的に集められる深さまで掘り下げる。
さらに、集水井設計時の土圧等による諸条件を勘案して、土留材の種類には大きく分けて、
鋼製のライナープレートと、コンクリート・プレキャスト製品の2種類が用意されている。
なお、今回使用されたのはRCセグメントライナーで、プレキャストコンクリート製。
その主な特徴として、
① 腐食・劣化が少なく、きわめて耐久性に優れている。
② 施工管理の簡略化と工期の短縮が可能。
③ 剛性が高いため、鋼製刃口とジャッキを用い、刃口を押し込むシールド工法で軟弱流動性地盤でも容易に施工。
④ 断面力が大きく、土圧に対して強度の高い構造物であることから、50m以上の深い集水井に向いている。
ライナープレートは一般的に全国で施工され、軽量で取扱いやすく地山では最適であるが、
流動土塊やボイリング、ヒービング等の場合、施工困難である。
対して、RCセグメントは、地質・流動土塊、湧水等に関係なく安全・確実に施工できるという特長がある。