ボーリングの匠 - 第21回 「ハンドフィードマシン」 東邦地下工機株式会社|工事機械(ボーリングマシン等)の製造販売

ボーリングの匠ARTISAN

第21回 「ハンドフィードマシン」

有限会社 北神戸ボーリング工業 会長
兵庫県神戸市北区淡河町野瀬813
TEL 078-958-0700

中西 敏郎 (Nakanishi Toshirou)

匠の紹介

「ボーリングの匠」第21回は、兵庫県にあります、有限会社 北神戸ボーリング工業の中西さんをご紹介します!

北神戸ボーリング工業さんは、井戸や地質調査を専門とし、関西・北陸・東海・四国地方を中心にお仕事をされています。

その会長の中西さんにとって、ハンドフィードのボーリングマシンには特別な思い入れがあるようです。

昔、手掘りに近い井戸掘削が主流のなか、
ある意味、ハンドフィードのボーリングマシンは超最先端の機械でした。
周囲にはそんな便利に井戸を掘る方法がなかった時代で、
おそらく、当時の井戸掘削のイメージを覆したとのこと。

また、自分の息子達にも、まずハンドフィードマシンを使って指導をしました。 と中西さん。
初めから油圧のボーリングマシンではなく、直接伝わる様々な音・振動などの感覚をハンドフィードで覚えることが大切。
ボーリングの本当のコツが分かると思います。

最初の頃はそうやって一緒に教えながら仕事をしていましたが、
私の場合、どうしても次から次へいろいろと注文を口に出してしまうのです。

でも、本来その人にはその人のやり方がありますからね。今では完全に任せています。
と中西さん。

後継者が少なくなっている今の業界ですが、中西さんの「匠」の精神はしっかりと次の代に受け継がれています。

これからもお体に気をつけて頑張ってください!

インタビュー

記  者:これまでに苦労されたお仕事はございますか?

中西さん:河川の近くで、予定深度より大幅に早まって自噴する井戸の対策は大変です。

深井戸はハンマー掘削(※1)でこそ採算が取れるボーリングなのですが、
途中で自噴してしまうと、その後は一転して先端をトリコン(※2)に換えて泥水を使用しながらの掘削となります。
そうなると大変なのがその泥水管理です。

これが河川の近くの場合、まず泥水が流れ出さない対策に気を使います。

さらにベントナイト(※3)が混じった泥水は残土処理場では引き取ってくれません。
埋め土として利用しようと思っても泥がゆるすぎて使えないためです。
予定外に発生したこの処理費は、次第に費用面で大きな負担となってきます。

こうなった時にはとにかく早期の対応・決断が必要です。

記  者:また、仕事のなかでいつも心掛けていることはございますか?


中西さん:泥水の管理でしょうか。ボーリングは泥水掘りが基本です。

現在はハンマー主体になっていますが、ハンマーはどこででも通用するものではありません。
やはり、ポンプとの組み合わせできっちり泥水管理をしながら掘るのがボーリング作業の基本といえます。


記  者:。本日は取材のご協力ありがとうございました!

(※1)エアーハンマー

語句解説につきましては、「ボーリングの匠」第3回を参照下さい。

(※2)トリコンビット

語句解説につきましては、「ボーリングの匠」第12回を参照下さい。

(※3)ベントナイト

ベントナイト泥水は粘性と懸濁性に富み、掘削孔壁に不透水膜を形成し、その崩壊を防止する。
ベントナイトは粘土の一種であり、第三紀の大昔に火山が噴火した際の火山灰が海底に堆積し、
火山灰に含まれているガラス質の火成物質の凝灰岩が地下の熱や圧力作用と海水作用が加わって出来たもの。

掘削現場-その1掘削現場-その1
掘削現場-その2掘削現場-その2
掘削現場-その3掘削現場-その3

製品の検索