ボーリングの匠 - 第28回 「お客様に喜んでもらうこと」 東邦地下工機株式会社|工事機械(ボーリングマシン等)の製造販売

ボーリングの匠ARTISAN

第28回 「お客様に喜んでもらうこと」

高来テック株式会社 代表取締役
長崎県諫早市高来町黒崎457-11
TEL 0957-32-2910

溝越 正春 (Mizokoshi Masaharu)

匠の紹介

「ボーリングの匠」第28回は、長崎県にあります、高来テック株式会社の溝越さんをご紹介します!

高来テックさんは、もともと井戸ボーリングからスタートし創業43年になります。
現在は井戸ボーリングを中心に、他にも上下水道工事や給排水衛生設備工事等多くの仕事をされており、
溝越さんご自身も、諫早市管工業協同組合の専務理事を兼務されております。

若い時より水道免許、地質調査技士、土木など多数の資格を揃えておられ、
当時がむしゃらに取った資格全てが今となってはとても助かっているとのこと。
忙しくて人手が足りない時には、自ら現場対応はもちろん、資料作成などで事務所に寝泊まりも度々。
とにかくオールマイティーに仕事をこなされます。

水井戸が欲しくて頼んでくるお客様には、何とかしてその要望に応えてあげたいとのこと。
例えば、掘っている途中で塩分などが出たら、普通なら通常の井戸としての提供は厳しいのですが、
それでも、別の孔を掘って浸透膜装置などを付けてでも「水」を提供するという選択肢はあるわけです。
常にその「なんとかしてあげたい!」という気持ちを持って仕事をしておられるとのこと。

また、こういった顧客満足を達成するためには、現場のコストを下げる努力も当然必要で、
そのためにも独自のアイディアや工法、工期短縮、経験による土質の把握などが不可欠です。

「お客様に喜んでもらうことが生きがい」と溝越さん。

お客様第一のその姿勢は県内外を含めた多くの方々に認められています。
これからもお体に気をつけて頑張ってください!

インタビュー

記  者:仕事のなかでいつも心掛けていることはございますか?

溝越さん:自分のアイデアを現場に取り入れながらコスト削減と工期短縮に努めています。

堆積層(崩壊層など)をいかに早く掘り抜くことができるか? だと思います。
着岩するまでの礫層を拡孔ビット(※1)で掘り、その後をトリコンビット(※2)を用いて掘るわけですが、
拡孔ビット使用時に同時進行にて溶接でつないでいくケーシング(※3)を工期短縮を視野にネジ対応とし、
また回収する手間を省くため、廉価な鉄の素材を選択し、施工完了後は埋めたままとします。

また、ケーシングトップ(先端部取付部分)についても、(その求められる耐久性も)岩盤層までがターゲットなので、
あえて焼き入れ素材のものは使わず、こちらもギリギリまで薄くし、中をトリコン掘り可能としています。

これらをこなすためにも、経験上でどこまでが堆積層なのかをしっかりと把握していないとダメです。

それともうひとつ。
現場の整理整頓、片付けです。誰が見ても気持ちの良いものでありたいですね。
それによって自身がそういう心掛けになり、結果として無事故につながるのだと思います。

また時間に余裕をもって仕事をするということでしょうか。
これは会社から出掛けて行く時よりはじまっていて、
すべてが安全につながっている原点と思います。

ちょっとの油断が大事故につながりますからね。


記  者:本日は取材のご協力ありがとうございました!

(※1)拡孔ビット
ハンマーの先端部分に接続された専用のヘッドは、正転・逆転させることによりビット径を拡大・収縮させることが可能。
これにケーシングパイプを後続させることで、あらゆる崩壊性地盤に安定した孔を掘ることができる。
なお語句解説につきましては、「ボーリングの匠」第3回を参照下さい。

(※2)トリコンビット
三つ(トリプル)のコーン(円錐)からなる形をした、掘り管の先端に取り付けるカッタービット。
なお、語句説明につきましては、「ボーリングの匠」第12回を参照ください。

(※3)ケーシング
崩壊性地盤などで孔壁を維持するのが困難な地質条件の時に用いられる管。
なお、語句説明につきましては、「ボーリングの匠」第10回を参照ください

ボーリングマシン(その1)ボーリングマシン(その1)
ボーリングマシン(その2)ボーリングマシン(その2)
ボーリングマシン(その3)ボーリングマシン(その3)

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